手すり

体験談

ここは前世?広い公園、その中の小高い丘、両親二人に見守られて小さなころの私が遊んでいる。

笑顔で楽しくはしゃぎまわっている。

叔父や叔母もいる。

大人たちに見守られている中、自由に元気いっぱい遊べる私。愛情いっぱい注がれたあの頃の私、とても懐かしい…大人たちの気持ちが温かい…守られて殻の中にいるような感覚…あの頃…

胸がいっぱいになった。

今まで張りつめていたものがパンっと弾けて体にショックを感じる。

あの頃は確実に守られて、自分が責を負うこともなく、すべてが安心だった。

転んで泣いても、外の世界が怖くても、内側に入れば両親がいるから何も問題ない。

それが大人になったらすべて自分の責任になるのだと、わかっていたのだけれど、現実は私を不安にしかさせなかった。

もう大人なんだから。

一人で片付けないと。

自分に責任がある。

誰の助けも借りちゃいけない。怖くても、心が潰されそうになっても、過呼吸になっても。

私は激しく泣いていました。

本当に、自分以外の人に助けを借りちゃいけないのか…謎を解く旅に出ることにしました。

場面が変わると、私は小さな橋を渡っていました。

橋の両端には手すりがあり、そこに手を置いています。

小さな池の橋です。

誰しもこの橋は渡らなければならず、私もこれから渡ろうとしています。少し渡ったところで、予想外なことが起きます。今までと同じように普通に進んで来たのに、そこだけ橋の板が取れてしまいます。あっと思い、足は、取れた板と一緒に池に突っ込みますが、両脇の手すりをしっかりとつかんでいたのでどうにか足先が濡れただけで済みました。

橋は、手すりがないと危なく、バランスを崩すと落ちてしまうようだ。手すりは、その橋を渡るとき必要なのだ。

必要だからそこにある。

何かに気づき始めた…つぎには違うシーンに移動していました。

その前世での私たちの両親は、私が社会に出るタイミングで、二人とも天に連れていかれました。突然の出来事でした…。

私は若くして両親を亡くし働きに出て、幼い妹二人を養っているのです。

上の妹は小学高中学年くらいで、私が洗った食器の茶碗なんかを拭いてくれたりします。肩ぐらいまでの髪の毛を二つに縛っています。

下の妹は、幼すぎて何もできませんが、かわいい、まるで自分の赤ちゃんのような感覚さえしてきます。

二人とも残されたかけがえのない家族です。

きょうだいだけの家族、私が養わなければならないという重荷、本当はつらかったのに、誰にも助けを借りませんでした。

上の妹が言いました。

「お姉ちゃんに恩を感じている。恩を返したい。でも、この前世では返し切れなかった」

妹の顔をじっくりと見つめます。

妹の雰囲気、癖やしぐさ、対面した時の存在感、おっとりしたその性格は…現在の夫と同じ。

妹は夫の前世だと気づきました。

夫の前世である妹の気持ちをゆっくりと感じる。

妹が返したい恩は、温泉旅行プレゼントなんかでは返しきれないほど大きいものだったようで、次の人生でも私を助けたいと思ってくれていたようでした。

妹は、私が思っている以上に、しっかりとした考えの持ち主だったのです。私だけが、妹は幼い、守らなければならない、私がしっかりしなくてはいけないのだと勝手に思い込んでいただけ。

本当は、妹にもっと頼って、家族みんなで協力して生きていくべきでした。そのほうがもっと楽に、効率よく、豊かな人生になることが可能だったのです。

私は学びました。

妹もせっかくこのように言ってくれているのだし、もっと甘えよう、わからないこと、できないこと、話したい事いろいろ…。

妹は、夫は、転びそうになった時に支えてくれる”手すり”として私のそばにいてくれていたのです。

これからは、夫に素直に頼れるように、職場ではチームワークが生まれるように、不器用だけれど、全部がうまく回って世界が平和になればと、今の私は思います。

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