EXPERIENCE体験談

     

旅人

前世療法

2023.01.13

太古の地球には私たちがわかっていない未解明の文明があったかもしれないーそんな古代のロマンが好きな私だが、大体いつも前世はちゃんとしたものが見れず悲しい結果に終わってしまいます。

今回だって、前世療法の、地球に下りる途中に、アリの生命体が飛んでいるのを見たし…前に見たのはアバターだったし、最初に見たのは全身が髪の毛と同じ黒さの全身真っ黒な人。

ここで、全身真っ黒な人と、さきほど飛んでいた真っ黒なアリの生命体が少し重なるような気が…したのですが、そんなことは置いておいて通り過ぎていき、セラピストの誘導で、地球に無事たどり着くことができました。

降り立ったのは、一面鮮やかな砂の色。少しオレンジがかった色をしていて、正面の離れたところに、砂に埋もれた建物も見えたりしました。その建物は現在使われておらず、誰もいません。

私のいで立ちは、薄く軽い白の衣装をまとっています。頭も足も白い布で覆っています。

気分は楽観的な感じがしています。

場面が変わると、次々と建物を見ていることに気づきました。

背が高い細い柱が何本もある建物や、壁が鮮やかな青緑のものーここは市場なのかわからないが行き交う人々の気配がしました。そして何より、かなり大がかりな建物、なんと山の斜面を利用した荘厳な建造物に心が奪われて、その美しさを目に焼き付けようとしばらく眺めていました。

どれもすばらしい。技術と文明の結晶だと、私は感嘆しています。

これらは、私がこの砂の道を旅して数年かけて出会ったもの。

とても素敵でした。

建物の中に入ろうとしたり、自分の住む家を探したりしましたが、どうやら定住はしていないようで、どこにも入ることができませんでした。

その代わりに見えたのは、この長い旅のゴール、かなり太い柱ー2階建ての建物のような大きさの柱が二本の大きな門、そしてそこに立つ私の帰りを待ってくれていた親友でした。

親友は私と会うなり旅をねぎらい、酒とバーベキューの用意があると言いました。久しぶりのごちそうです。

昔からの知り合い、というよりは、以前に商売のことで相談したことがきっかけでお互いを知り、馬が合うことで毎回こうしてねぎらってくれる。奴は愛嬌があり情にもろく熱い、熱血な男だ。そして、彼と数年に一度こうして楽しく酒を酌み交わしながら過ごす時間が、私の乾いた人生の中で、唯一の楽しみなのです。建物には心は奪われるが、世の中の人間に心を開いていない私には、彼以外が心に入り込む余地はなく、初めて人の良さを知れた大切な友なのだ。

そんなことを改めて思い返しながら過ごしていると、あっという間に宴会は終わりを迎え、門の中の地面はかすかにぬくもりを残した。

さて、また旅の日取りがやってきました。奴は、もう行くのかと名残惜しそうにしています。

ふと、人の輪廻転生について考えた。彼と楽しく過ごす時間を、次生まれ変わったなら、もう一度一緒に過ごすことができてそれが数年に一度ではなく毎日だったら…今よりももっと潤いのある、私の人生においてかけがえのないものになるだろうなと。

そういう人生があってもいいなと。

次ここを通るとき、変わらず彼は待ってくれているだろう。そしてあの素晴らしい建物たちも、後世に残るべく、変わらず私の帰りを待ってくれているのだろう。それらが今の私の楽しみだ。