EXPERIENCE体験談

     

星と太陽

前世療法

2023.03.31

セラピーの初めの方で、私は、地球に向かって動き出さないといけないのにそのまま宇宙に留まっていました。なぜそうしたのか自分でもわかりません。

体はフワフワした雲に包まれたまま、足元には少し隙間があって、そこから真下に地球が青く光って見えます。

反対に頭上を見てみました。

きれいな星たちが無数に光り輝いていてとても神秘的です。

その中でもひときわ強く光を放つ星を、ひとつ見つけました。

きれいだなと思ってみていると、星も、こちらに気づきました。そう、感じました。

次の瞬間、強い光の星は私に向かって飛んできて、私を包んでいる雲の中まで入ってきました。

わたしはそれを受け止め、両手で優しく包み込みます。

五つの角があるその星は私の手の中で緩い光を放ちます。とてもきれい…それにかわいく思えるのです。その瞬間、これは私の赤ちゃんだと気づきました。

びっくりしたけど、うれしさもあり、特別な感情が湧いてきて、その感情があると、私はとても満たされた安らかな気持ちになることがわかりました。

私はその星を胸に押し当てて、心の中へしまいました。

私の心の中は暖かくなって、まるで自分の体の内側から光が放たれて私を中心にそこいら中全部を照らすかのように、強い気持ちが外に向かって出てきます。癒され、癒せられる、そんな感じの何でもできるような自信がわいてきています。とても気持ちがいいです。

その、気持ちのいいまま、私は地球に降りていきます。

過去の地球。

今、私の体は黒いワンピースに包まれて、腰まである髪の毛を布ですっぽり隠しています。目の前には大きな建物…頂点に在する十字架が輝く清廉な存在、教会が見えます。

見た瞬間に心が揺さぶられるような感覚…ああ、そういえばそうだったと懐かしくも暖かい、愛に満ちた郷愁的な情緒がよみがえってきました。

私がその中に入ると、小さな子供たちがいっせいに私に向かって走ってきます。

すごくかわいい!一瞬でそう感じた私は、ただいま、と子供たちを抱きしめました。目がクリっとした女の子、やんちゃな男の子、いつも一人でいるけど私に向かって走ってくる子…みんなみんなかわいい私の子供たちです。全部で10人います。

そのうちの一人を見ていると、見覚えのある顔つきであることに気づきました。この子は女の子で、大きくなったら私と同じシスターになる子です。その顔は、現世の私の顔です。私の前世はこの時代で、教会に孤児として引き取られ、成長したのち自分を育ててくれたシスターと同じ道に進んだということが一瞬で理解できました。

私を育てたシスターは、来世で、私の母になり、一緒に過ごすことになります。

私の顔をした成長したこの子・シスターは、「この子たちを幸せにすることで私も幸せを感じる。愛おしい気持ちが溢れてくる。」と言っています。

セラピーの最初の方で星を胸に抱いた時、その時もうすでに私は、”母”になっていたのだ。胸に宿った光は成長して、また光を宿す。その繰り返しを何世代もずっと繰り返して、人は愛を反芻してきたのだ。そのことに気づいた時、私は、母の前世ではなく本来の私の前世…、私自身の前世になっていました。

目の前には私を育ててくれた、冒頭に出てきたシスターがいます。この人がさっき言った通り、現在の私のお母さんであることがわかりました。愛を教えてくれた人です。

そして私たちの周りには子供たちが楽しそうに遊んでいる姿が見えます。

子供たちの中には、私の夫、お父さん、前にお付き合いしていた人もいます。

となりのシスターが私に言いました。「愛を与えなさい、すべて愛しいあなたの子供たちです。」

そう言うと、突然場面が変わり、教会の中が真っ暗になりました。

教会の中は乱れていて、床に物が散乱しています。嵐か何か自然災害の後のようです。

子供たちを守らなければ…子どもたちが寒くないように私が覆いかぶさって体を守っています。向こうの方では、先輩シスターが破れたドアを塞ごうと木片を集めています。不安がる子供たち。でも私が笑顔を見せると、みんな落ち着いてそれぞれ協力し合って励ましあいます。かわいい子供たち…どんなことがあっても私が守るから。

いつの間にかあたりが一面が真っ白になり、私は雲の上に立っていることがわかりました。

あのあと私は死んだのだ。

呆気に取られてしまったが、もう後の祭り。

残った感情は、子供たちが巣立つ最後まで見守られなかったことへの落胆。

どうすることもできなかった、自然災害の前では。しょうがなかったのだと自分に言い聞かせた。

すると、目の前に、同じ雲の中に、見覚えのある人影が…現在の私が現れた。そしてこう言った。

「あなたができなかったこと、私がしてあげるよ。何してほしい?」

私は、「あの子たちを任せたい。今度は、違う形で、彼らの最後まで見守ってほしい」

それでいいんだね、と私たちは握手をしました。そうすると、次には、あの、一緒に過ごした先輩シスター、現在の母の前世もやってきた。

「彼らの中で、ひとり私が受け持ちます。あなたは、あの子と一緒になるのね?」

あの子とは、私の現在の夫のことです。

そうだよ、もう結婚してるんだよと教えてあげました。

先輩シスターは私に、あなたは太陽の子ね、と言い微笑んだ。

私たち3人は向き合って肩を抱きこれからもよろしくね、と言い別れました。

心が落ち着いているのに、反対に力があふれてくることもわかります。これが愛の力なのかな、と思いました。

この愛は、難しい学びをはらんでいますが、いつでも自分の判断でどうにでもすることができる。本当にやりたいことは、やり通してみたい、という興味が強かったのです。先輩シスターの現世も、同じく難しい課題に取り組んでいて、決して途中で投げ出さないでいるのがわかります。私の夫には、この人が厳しい子供時代を過ごしそれによって傷ついていたことを知っていましたので、それについて今世に課されたテーマが見えてきました。それは、夫の子供時代を守ることでは決してありません。私たちはもう大人です。育ってきた環境は変わらないのです。前世の夫は、愛が必要な孤児として生まれてきました。今世の夫は、私の課題に合わせてくれたようで、今、愛が必要な状態です。私はもう夫に、愛とは何なのかという問いを投げかけました。あとは、受け取った本人の問題です。次に、私の胸の中に飛び込んできたあの星を受け取るのは、あの人自身です。