しんてきがいしょうごすとれすしょうがい(心的障害後ストレス障害)

用語

自分自身や他人の死や重篤な傷害に至る恐れのある事件を経験するといった外傷体験によって発症し、激しい恐怖感や無力感などを症状に含む不安障害の一型である。具体的には、戦争、地震、津波、火災、交通事故などを経験したり、テロ、強盗殺人、強姦などの犠牲者になるといったことをきっかけとして発症してくる。

病像としては、①悪夢やフラッシュバックによって外傷的出来事を繰り返し再体験する、②外傷的出来事と関連した刺激を持続的に回避しようとするか反応性の鈍麻を示す、さらには感情が委縮し極度のうつ状態をきたしたり未来に対して展望を持つことができなくなる、③睡眠障害、易怒性(いどせい)、集中困難、過度の警戒心・驚愕反応・生理的反応など、覚醒の持続的な亢進を示す症状が認められる、の三つが中心となっている。これらの症状は非常に耐えがたい苦痛を伴うため、日常生活は破壊され、対人恐怖、性的困難、離婚、失職、アルコール依存、自殺などさらなる障害や不都合をきたすことも珍しくない。

アメリカなどではヴェトナム戦争の復員兵などに多くの発症者がおり、アメリカ精神医学会がDSN-Ⅲ(APA1980)で臨床単位として整理して以来、注目されてきたが、日本でも1994年の北海道南西沖地震、95年の阪神大震災と大災害が続き、注目を集めるに至った。約半数は3か月以内に回復するが、予後不良なものも多い。それらに対しては、通常、薬物や支持的精神療法だけでは十分な効果は得られないが、特異的な症状に焦点を当てた、行動療法、認知行動療法などが著効を示すことがある。

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